年の瀬が近づき、多くの方が新しい年に向けて準備を進められている時期かと思います。
パスウェイズ・ジャパンでも、来春に向けて学生たちの進学・就職の結果が次々と届き始めています。合格通知や内定の知らせを受け、「日本で学びたい」「社会で役に立ちたい」という若者たちの夢が現実に近づいていることを、日々実感しています。
まだ結果待ちの学生もいますが、一足早く進路が決まった学生たちからは、努力の積み重ねの先に見えた希望の声が届いています。今回は、その途中経過のご報告と共に、現場の声を皆さまにお届けします。
来日前から卒業後のキャリアを見据えて
母国で戦争や政変を経験しながらも、「学び、成長したい」という強い意志をもって日本にやってくる難民・避難民の若者たち。来日後の2年間は日本語学校に通いながら生活を立ち上げ、日本語能力試験や大学進学を見据えた日本留学試験に挑みます。しかし各試験の受験機会は年2回と限られ、到着後ほどなく次の進路に向けた情報収集や準備が求められます。
その中で一人ひとりが将来の選択肢を閉ざされることなく挑戦できるよう、パスウェイズ・ジャパンでは来日前からオリエンテーションを行い、2年間で進路を決めるためのステップを丁寧に案内しています。
さらに先輩学生とのネットワーキングを築くとともに、企業や大学、学生ボランティアの方に協力いただきながら、就活支援、進学支援とも、拡充させています。


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日本で未来を切り拓く若者たち
約2年前の2023年度、私たちはシリア、アフガニスタン、ウクライナから17名の若者を日本語学校に受け入れました。母国で学ぶ機会が閉ざされながらも、希望を手放さずに来日した彼らは、日々日本語を学びながら、次の進路に向けて努力を重ねてきました。
現時点の進路は以下の通りです。進学希望者のうち約7割が進路を決定、奨学金を取得することができました。
特にアフガニスタンの学生は、国内で中等・高等教育が禁じられる状況の中でも学びへの意志を持ち続け、本年度、現時点で1名が大学、2名が専門学校進学を決定しました。
シリア・ウクライナの学生も、日本の平和な環境で学び、スキルを伸ばすことを目指して進学・就職へと歩みを進めています。

単位:名
*2025年12月17日時点
就活に挑戦している学生たちは、日本語力の向上や面接対策、企業研究などを進めながら、未来への扉を自らの力で開こうと努力を続けています。今後、順次進路が決まっていく見込みです。
また、日本語学校や大学の非正規課程を経て、現在専門学校・大学・大学院に在籍し、来春卒業を迎える学生たちの中でも、就職の内定が決まるなど嬉しい報告が届き始めています。就職先は、IT系、ゲーム業界、小売業界と様々です。日本でのキャリアという新しい一歩を踏み出す若者が確実に増えています。
この道のりを安定して支えるために、伴走サポーターを募集しています
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今年進学を決めた学生と支えたスタッフの話
大学の進学を決めたウクライナ出身・ダリナさんの話

中学生のころから日本に興味を持ち、日本語の勉強を続けてきました。ウクライナで日本語学科に進学しましたが、戦争の影響で勉強や生活が大変になり、将来に不安を感じていました。その中でパスウェイズ・ジャパンを知り、日本で学ぶ機会をいただきました。
大学進学の準備で最も大変だったのは日本留学試験(EJU)の勉強です。特に総合科目は、経済や政治などウクライナでは学んだことのない分野が多く、どこから勉強すればいいのか分からず悩みました。その中で、PJのチューターの先生と一緒にEJUの勉強ができたことは、大きな支えになりました。分からない内容を丁寧に説明していただき、質問もしやすく、少しずつ理解を深めることができました。
日本語の読解や記述、聴読解も繰り返し練習し、最初はうまくいかなかった部分も改善することができました。
今後は大学で学び、身につけた知識を将来の仕事に活かしていきたいです。
パスウェイズ・ジャパン 進学支援担当・平野の話

学生たちは、日本での進学に向けて多くの課題を抱えつつも、一つずつ乗り越えてきました。日本の入試制度の理解に始まり、日本語能力試験(JLPT)や日本留学試験(EJU)などの慣れない試験への準備に取り組みました。特に大学受験で必要となるEJUについては、当初「まったく歯が立たない」と落ち込む学生もいましたが、日本語学校のご指導やチューターのご支援により、徐々に自信をつけていきました。
また、生活費をまかなうアルバイトと日本語学校の両立の中で、限られた時間で勉強時間を確保するという大きな課題もありました。精神的にも体力的にも容易ではない状況の中、学生たちは諦めることなく努力を続け、その努力が実ったことを大変嬉しく思います。
進学・就職を実現する難民・避難民の若者が増えることは、本人の未来を切り拓くだけでなく、日本社会との接点を広げ、新しい可能性を生み出します。分断や偏見が課題となる中、困難を越えた若者たちは、社会に希望を灯す存在でもあります。私たちは今後も、その一歩を支える取り組みを進めていきます。
難民・避難民の学生の受験対策ボランティアを募集しています
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難民・避難民の若者の未来への道のりを、共に支えてください
戦争や迫害により学ぶ機会を奪われた若者たちが、日本で学び、働き、自立へと歩むためには、多くの方の継続的な支えが欠かせません。パスウェイズ・ジャパンでは、その歩みに寄り添ってくださる継続寄付者の方々を「伴走サポーター」とお呼びしています。
来春には新たに約30名の若者が来日を予定しており、来日前後の生活立ち上げや進学・就職準備を支えるための力が、今まさに必要とされています。
重ねてのお願いとなりますが、どうか未来へ踏み出す若者たちの伴走者となっていただけませんか。皆さまの一歩が、難民・避難民の若者の「希望の道」をつくります。
■ ご支援の方法
・毎月の定期寄付のほか、年ごとのお支払い(10,000円/年〜)もお選びいただけます。 ご都合に合わせて、無理のない形でご支援いただければ幸いです。
・パスウェイズ・ジャパンは、2024年10月1日付で内閣府より公益財団法人として認定されました。これにより、皆さまからのご寄付は税制上の優遇措置(寄付金控除)の対象となります。詳しくはこちらをご覧ください。
皆さまのあたたかいご支援・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

