難民の背景を持つ人々の高等教育進学率は、世界全体でわずか9%にとどまっています(UNHCR 教育報告書2025)。多くの若者にとって、大学で学ぶことは依然として高い壁となり、SDGsの枠組みの中、2030年までに15%を達成するため、各国で取り組みが進められています。「渡邉利三国際奨学金」は、難民の背景を持つ若者達が、高等教育を受ける機会を得ることで日本社会で活躍し、引いては 日本社会を多様な人財が活躍できる国に変える原動力となることを願う、寄付者の渡邉利三氏の強い意志に基づいて、設立されました。
2026年4月18日、都内にて奨学金授与式を開催しました。今年度は過去最多となる25名が奨学生に選ばれ、昨年度の卒業生や家族、支援者など約40名が集いました。一人ひとりが壇上に立ち、自身のこれまでとこれからを語る姿に、会場は励ましとお祝いの暖かな雰囲気に包まれました。


本奨学金は、これまで支援の対象となりにくかった期間限定の在留資格の若者を主な対象とし、学費と生活費の両方を支援する返済不要の奨学金です。進学先は短期大学から大学院まで幅広く、それぞれが選んだ専門分野で学びを深めています。
本年度は、前年度を大きく上回る226名の応募者があり、学識経験者等で構成された選考委員会による審査を経て、25名の奨学生が選ばれました。出身国はミャンマー、アフガニスタン、シリア、ウクライナ、カメルーンと多様で、女性16名、男性9名と女性がやや多い構成となっています。
*渡邉利三国際奨学金の概要はこちらをご覧ください。
*募集結果と報告についてはこちらをご覧ください。
授与式の当日は、各奨学生がこれまでの経験と今後の抱負についてスピーチを行いました。これまでの経験や専門分野は異なりますが、母国での紛争や人権侵害など、様々な困難に直面しながらも、学ぶことに希望を見出し、日本の大学で学ぶ道を切り拓いてきました。スピーチの中では、それぞれの専門分野で学びたいことや将来の目標を具体的に語り、「将来は社会や地域の発展に貢献できる人材になれるよう努力していきたい」など、自身が成長して社会に貢献しようとする強い思いが、共通して語られました。
前年度からの継続支援が決まった奨学生からは、近況報告として、専門分野での学びの深まりや大学外での経験の広がり、新たな目標について話されました。また、イベントには、昨年に続き、元文部科学大臣の中川正春先生にもご参加いただき、「次の大きなステップを実現することに期待したい」難民・避難民の学生に励ましの言葉をいただきました。




また当日は、2025年度に卒業した奨学生も参加し、現在の仕事やこれからの目標について語りました。首都圏外で活躍している卒業生はオンラインで参加しました。「さらに成長して社会に貢献できる人材になりたい」「母国と日本をつなぐ存在になりたい」という言葉に象徴されるように、彼らの視線はすでに次の世代、そして社会へと向けられています。長く成長を見守ってきた大学関係者からも、力強いエールが送られました。
*奨学生のスピーチはこちらをご覧ください。
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奨学生・卒業生が出身国や関心分野を越えて交流する様子からは、単なる経済的支援にとどまらず、互いに支え合いながら歩むコミュニティが育まれていることが感じられました。このつながりもまた、困難な状況にある難民・避難民の若者が前に進む力となります。
パスウェイズ・ジャパンはこれからも、奨学生一人ひとりの歩みに伴走しながら、学びを通じて未来を切り拓こうとする若者たちを支えていきます。
