グローバル難民フォーラム2023参加報告④3日間の参加を終えて

4年に1度の難民に関する国際会議「グローバル難民フォーラム 」が、12月13ー15日までスイス・ジュネーブで開催され、代表理事の折居が参加してきました。4回に分けてフォーラムの参加報告をお届けします。

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3日間にわたる、第2回グローバル難民フォーラムへの参加の経験を報告してきました(日程の都合によりGRF3日目は欠席して、日本に帰国しています)。以下全体を通じて強く感じた点をいくつかお話しします。

まず、エデュケーション・キャンパス、そしてGRF全体を通じて感じたのは、学生等ユースの積極的な参加と発言です。ユース組織の代表者も200人位が招かれており、難民当事者として、あるいはサポートやアドボカシーに携わる立場で、様々な発言や意見交換がありました。何人か16歳の、日本でいえば高校1年生に当たる参加者からも、積極的な発言があったのが印象に残っています。今回日本からも、EmPATHyから3人の代表の参加があり、素晴らしい成果といえます。一方、パスウェイズ・ジャパンでは150人以上の難民の背景を持つ素晴らしい学生・若者を日本に受け入れてきており、次回2027年のGRFには、難民の背景を持つ学生やユースのグループから、特に教育分野の会合には、さらに多くの若者に参加してもらい、日本での取り組みについて発信すると共に、各国での取り組みから相互に学べるとよいと強く感じました。

もう一点、教育に関する各分科会で課題となっていたのが、卒業後の就職にどのように結びつけるのかという点です。従来英語圏での教育パスウェイズでは、あまりこの点は課題捉えられてはいませんでしたが、各国で取り組みが進み、卒業生が多く出てきたことで、文化・社会的な要素、就職活動自体に不慣れであること、専門性が労働市場に合っていないことなどで、うまくいかないケースも増えているようです。また非英語圏では、英語で教育を行ったものの、就労に必要なその国の言語の習得が十分ではなく就職が困難になるという、日本と共通の課題も共有されていました。

パスウェイズ・ジャパンのプログラムでは、そもそも留学の在留資格で来日した学生は、原則として就職して就労の資格に切り替えて在留を継続する必要があり、当初から就職の可能性も視野に選考を行い、来日時から日本での就活に向けて様々な情報提供と選択肢の提示を行い、現在までのところ就職を希望した学生は全員就職を果たしています。すでに述べた通り、この点では政府のプログラムでも同様の取り組みが進められており、プログラムのデザイン段階から、就職を視野に選考し、大学でも学び、就職に備えていくというパスウェイズ・ジャパンのモデルと経験は、今後さらに各国の参考になっていくのではと感じました。

 最後に、第2回GRFを終えて、今後各組織は今回プレッジした内容を着実に実施し、MSPの達成に貢献することが求められていきます。この4年毎に目標を立て、協力して達成していくというサイクルは、うまく機能させることで、今後取り組みを加速して、様々なセクターの関係者の連携を促進することができるのではと感じています。

パスウェイズ・ジャパンでは、のべ77人の難民への奨学金提供、パートナー大学での65人への高等教育の提供、116人の日本語学校・大学への新たな受け入れを進めると共に、各大学と学生のネットワーキング、企業とのネットワーキング、そしてアジア太平洋地域でのパスウェイズのネットワーキングを、今後4年間で進めていく予定です。

以上の宣言達成のために、今後さらに多くの皆様のご支援、そしてパートナーシップが必要となります。より多くの若者達が将来への道筋を切り拓くため、そしてその声を社会に、世界に届けていくために、今後も皆さまと協力して取り組んで行くことができればと思います。

ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。

*パスウェイズ・ジャパンの宣言(プレッジ)はこちらをご覧ください。