パスウェイズ・ジャパンの「高等教育支援」事業では、日本で暮らしている難民や、難民の状況となって国外から日本に受け入れられた人々 の内、進学機会の限られている人々に対して、渡邉利三国際奨学金によって高等教育の機会を提供します。
難民の背景を持つ人々の高等教育進学率は、2022年現在全世界で6%と、一般の若者に比べて著しく低くなっており、SDGsの枠組みの中、2030年までに15%を達成するため、各国で取り組みが進められています。パスウェイズ・ジャパンは、渡邉利三国際奨学金により、日本でこの取り組みを推進し、2030年の国際目標達成に貢献します。そして、難民となる困難な経験を経た若者達の持つ能力と可能性を信じ、高等教育を受ける権利と機会が制限されている状況の改善、卒業後の就職と自立、そして彼らの夢の実現に寄与することを目指します。
渡邉利三国際奨学金とは
渡邉利三国際奨学金は、難民の背景を持つ若者達が、高等教育を受ける機会を得ることで日本社会に貢献し、引いては日本社会を多様な人財が活躍できる国に変える原動力となることを願う、寄付者の渡邊利三氏の強いご意思と寛大なご寄付に基づいて設立されました。2022 年度にパブリックリソース財団による奨学金プログラムとして設立、運営され、2023 年度からパスウェイズ・ジャパンが運営しています。
難民となる困難な経験を経ても学びを続け、将来社会に貢献しようと努力する若者達の大学(短大、大学学部、大学院)への進学支援を目的にしています。特に、従来日本で奨学金応募の機会が限られていた、留学や特定活動等、期間限定の在留資格の難民・避難民を主な対象にしていることがその特徴です。進学と就職を経て、将来安心して日本社会で暮らし、社会に貢献できるよう支援します。
本奨学金は渡邊利三国際奨学金基金を運用することで、今後永続的に毎年奨学金を提供していきます。
1支援内容
(1)学費
1 人につき、年額 170 万円以内(施設管理・維持費、実験実習費等その他教育機関が必要とする経費については、経済状況に応じて個別に支給を決定)
※応募時点の経済状況や他の奨学金等の受給状況を考慮の上、支給額を決定
(2)規定に基づく生活費補助
学部 1-2 年:月額最大 7 万円
学部 3 年:月額最大 6 万円
学部 4 年及び大学院:月額最大 5 万円
※応募時点の経済状況や他の奨学金等の受給状況を考慮の上、支給額を決定
※いずれも給付型奨学金のため返済は不要
※他の奨学金との併用は可
2024年度渡邉利三国際奨学金募集結果と奨学生
1.募集要項
こちらの募集サイトをご覧ください。
2.応募状況
(1) 募集期間 2023年 11 月 13 日(月)~2024 年 1 月 12 日(金)
(2) 応募総数 46 件
3.選考委員会
・選考方法
選考委員会を設置し、書類選考および候補者との面談により、支援内定者および補欠者を選定。選考委員会は、難民支援、人道支援及び高等教育に豊富な知見を有する、大学関係者、法曹関係者等で構成。
・面接
– 新規応募
日時: 2024 年 2 月 4 日(土)9 時 30 分~16 時 30 分 場所: 港区内会場
– 継続応募
日時:2024年2月21日(水)13時30分~15時30分、2月26日(月)18時00分~19時30分 オンライン面接
4.選考結果
上記の通り選考の結果、以下 12名の奨学生が決定。
支援決定奨学生出身国(個人名は非公開) | 性別 | 進学先・専攻(大学名は非公開) |
ミャンマー | 女性 | 国際教養学部 |
アフガニスタン | 女性 | 国際教養学部 |
ミャンマー | 男性 | 大学院修士課程(自然科学) |
トルコ | 男性 | 大学院修士課程(社会学) |
アフガニスタン | 男性 | 経営学部(会計学) |
ミャンマー | 男性 | 工学部(建築学) |
シリア | 男性 | 理工学部 |
アフガンスタン | 女性 | 経済学部(会計学) |
シリア | 男性 | 工学部(機械工学) |
シリア | 女性 | 社会学部(心理学) |
アフガニスタン | 男性 | 大学院修士課程(理工学) |
ミャンマー | 男性 | 大学院博士課程(情報工学) |
5. 支援期間
決定通知日以降 2025 年 3 月末まで(翌年度も継続して応募が可能)
2023年度奨学金授与式
こちらのサイトよりご覧ください。当日行われた奨学生によるスピーチも、一部を掲載しています。
2022年度募集報告及び奨学金授与式
こちらのサイトよりご覧ください。