2025年度渡邉利三国際奨学金授与式:奨学生のスピーチ

21名の奨学生のうち、以下の学生のスピーチを紹介します。学生たちの多くは、授賞式当日、日本語でそれぞれの思いを語りました。


ヘイン イェ セさん(ミャンマー出身、工学部(建築学))

皆様、こんにちは。
本日はパスウェイズ・ジャパン、渡邉利三国際奨学金の奨学生として採用していただき、誠にありがとうございました。

去年度に自分が大きく取り組んだことや成長としては、インターンシップに40日間行って、職場の仕事と雰囲気を経験ができて、貴重な機会だったと思います。そして、知識と技術が身につけられて、今後自分の勉強にとっていい刺激になりました。

今年度に向けては、主専攻の科目のみをメインにして勉強していきます。そして、1 級日本語能力を取得できるように頑張っていきます。これから、就職活動を行って、来年度に内定されることを目指して頑張っていきます。

以上を持ちまして終了したいと思います。ご清聴ありがとうございました。


Bさん(シリア出身、理工学部)

今、大学で理工学部で機械工学を勉強しています。少しだけなぜこの分野を選んだかについて話したいと思います。理工学部 の世界に魅了された原点は、子どものころ、シリアにいた時に、祖父と協力してパンクしたタイヤを交換したという体験があります。目の前で、止まっていたものが再び動き出す瞬間、技術は命を吹き込む力だと感じました。その原体験から、今は日本の大学に進学し、機械工学を専攻として学んでいます。学業の道は決して平坦ではなく、理論の探求と実験の試行錯誤の連続です。ただし、やはり、積み重ねこそが技術者としての資質を鍛える礎になることを確信しています。去年は2年生になり、専門科目に入り、3Dプリンター、熱力学、流体力学など色々な専門科目を学んでおりましたし、貴重な情報を得たと思いますし、去年は成長したと思います。

それをしながら、今はロボット研究室に入っているので、そのロボット研究室でセンサー取り付け、センサー理論、プログラミングを使ってロボットを動かす活動をしました。

将来的には、IT技術と機械技術を融合した新たなソリューションを追求したいと考えております。やはり、将来的に、日本で就職したいと思っております。渡邉利三国際奨学金は自分の未来への一歩であり、ご支援いただき、心より感謝申し上げます。ご期待に添えるよう、尽力いたします。本当に本日はありがとうございました。これからもよろしくお願いします。


アルヘスワネさん(シリア出身、工学部)

現在は大学では、情報システム分野でAIシステムコースに所属しています。現在は4年生になりましたので、就職活動を頑張っています。まずは渡邉利三国際奨学金、パスウェイズ・ジャパンの方々に感謝したいと思います。渡邉利三様からいただいた大切な言葉「Build your dream, and the dream will build you!」を聞いて非常に共感を感じました。なぜかというと、13年前から、シリアにいた時は、戦争があって、自分が思っていた夢に進みたい、実現したいと思っていましたが、その時はそういう機会はあまりなかったです。しかし 渡邉利三様のおかげで その機会を与えてくださって、今はそのBuild your dreamもできるようになりましたので 、心より感謝申し上げます。

今のところは、大学で何を勉強してるかを紹介させてさせていただきます。今はAI,人工知能を勉強しています。去年、3年生では専門科目が多かったと思います。そこでは AI や機械学習という科目も多かったと思います。そして IT だけではなくて、経済などにも関わる科目、ITと経済に関わる科目もあって、そのような科目を学んで色々な情報、色々な分野の話も勉強できたのかな と思っております。そのような情報を使って、将来、最近解放されたシリアのために、そして日本の発展のためにも役に立つと信じていますので、そのように全力で頑張りたいと思っております。

そして現在は就職活動を頑張ってます。今までに 内定 2つをもらいました。現在も企業で長期インターンを行い、今は5ヶ月目になりましたので、その仕事のところも頑張っております。

将来について、今年は4年生になって研究が始まりますので、来週から、今年は AI に関わる研究したいと思っております。そして将来的には渡邉様みたいに、シリアや日本のために、頑張りたいと思っております。そして勉強を続けることができない人たちのために、もしできれば奨学金を作りたいなと信じていますので、 全力で頑張ります。よろしくお願いいたします。 


Wさん(ミャンマー出身、大学院博士課程(環境学))

こんにちは。ミャンマー出身のウィンと申します。博士課程3年生で、環境学を専攻しています。今学期が学生生活最後の学期となります。この2年間、TWISのサポートを受け、学業に集中することができました。特にこの1年間は、研究と学業成績に力を入れました。その結果、学位取得に必要な論文を発表することができました。また、台湾で6ヶ月間のインターンシップに参加し、学術環境や研究分野における人脈を広げることができました。さらに、台湾とタイで開催された2つの国際会議にも参加することができ、TWISの費用の一部負担もいただきました。今年は学位取得に必要な手続きを終えることに集中します。同時に、ご存知の通り母国に帰国できないため、将来の仕事を見つけなければなりません。TWISとPathways Japanの継続的なサポートに心から感謝いたします。地域社会と世界に貢献できるよう、精一杯努力していきます。本当にありがとうございました。


ハンさん(ミャンマー出身、大学院修士課程(理工学))

ミャンマーの学生

現在、理工学研究科の修士2年生です。出身はミャンマーです。私の研究は、光波マイクロホンを使って超音波を測定することです。現在は、光波マイクロホンを用いてプラズマから発生する衝撃波の測定に挑戦しています。

1年生の時に2つの国際会議に参加しました。渡邉利三国際奨学金のおかげで、勉強も研究も頑張ることができました。

来学期は、卒業論文を書き、実験もしっかりやろうと思っています。また、日本での就職も目指しています。日本で働きたいと思っています。

最後に、渡邉利三国際奨学金、ありがとうございました。この奨学金のおかげで、卒業論文もうまくいくと信じています。

ご清聴ありがとうございました。


Hさん(トルコ出身、大学院修士課程(社会学))

本日はこのような貴重な機会をいただき、本当にありがとうございます。私は、2023年12月までは、在留資格のない仮放免状態という状態にあって、県外移動を禁止されたり、就職を禁止されたり、それ以外にも出頭義務があったり、 保険証も所持できないという本当に檻の中にいたような生活を送っていました。怪我をして病院に行くと多額のお金がかかってしまったり、実際にお父さんが入管に半年収容されて、それによって学校でちょっといじめにあってしまったりもしました。仮放免状態で、行きたい大学がたくさんあっても、仮放免者だったことで受験を拒否されてしまって、進学も自分を受け入れてくれる大学を選ぶしかないという状況で、14年間の仮放免生活はすごく大変でした。

2023年12月末、私たち家族がその14年間続いた仮放免状態を経て、ようやく在留資格を得ることができました。その瞬間、私たちの生活が大きく変わりました。県外移動もできるし、仕事をしてお金を稼いで自分たちの生活を自分たちで支えていくこともできるようになりました。自分の力で働けるようになり、あと住民登録ができたことによって保険証を持てるようになり、ようやく人間らしい生活が始まりました。保険証を持っている事は当たり前だと思われるかもしれないですが、私はもう14年間それを持つことができずに、怪我や病気になってしまうと多額のお金がかかってしまうという状況にあって、そうなってしまうと借金をするしかないということが続いていて、病院側に2023 年段階で借金を家族全員で抱えている状態でした。そこで本当に大学院進学もやめようと、 借金があったので思っていたのですが、渡邉利三国際奨学金のおかげで大学に通うことができました。

在留資格を得て嬉しかったのは、弟たちが仮放免だから夢を諦めず済んだことがすごく嬉しかったです。私は、かつては 自分の夢を諦めた経験があり、だからこそ、弟たちが夢を持ち続けることが何よりも嬉しいことでした。去年も話をさせていただいたのですが、子どもの頃からずっとサッカー選手を目指して、毎日練習していて、いろんなチームと話したり、本当に人生の一部、人生の生きる希望の1つとしてサッカー選手という夢があったのですが、入管で仮放免者であること、就職が禁止されていること、日本にはいてはいけない存在だっていうことを教えられて、そこで選択肢がない、夢を諦めるしかないという状態に置かれて、夢は諦めたのですが、今でもすごく悔しいというか、すごく悲しい気持ちが続いていて、おそらくこの気持ちは一生引きずるものだと思うので、弟たちがそのような経験をしなかったことは本当にすごく嬉しいです。

仮放免の時期には、いつ収容されるか分からないという不安から大きな目標や夢を持つことすら難しい状況でした。だから、将来はここで働きたいなど、そういう夢を持つと、また諦めて、すごく悔しいので、そういう夢を持たないようにしていました。国連UNHCRで働きたいという思いはあっても、夢を持ってはいけない、期待してはいけないという気持ちに抑え込まれていました。

しかし、 在留資格を得たことでそのブレーキをようやく外すことができました。大学4年の頃には、在留資格はない中で大学院入試に挑み、合格しても入学できないかもしれないという不安に苦しみました。けれども、在留資格を得たその日から気持ちを切り替えて毎日勉強に打ち込み、絶対に合格するという覚悟で臨みました。その結果、大学院への合格を果たすことができました。

入学後は研究にも力を入れて取り組んできました。私の研究テーマは仮放免や難民申請に基づく特定活動といった不安定な在留状況が在日クルド人1.5世・2世の若者たちにどのような影響を与えるのかを明らかにすることです。特に法的地位の不安定さがアイデンティティの形成や将来の展望にどう関わるのか探っています。春夏学期は、授業に慣れること、友人を作ることに集中しながら、研究計画の発表や論文の修正作業にも取り組みました。

秋冬学期には授業やゼミがより難しくなる中で、昨年できた地域の日本語教室で、コーディネーターとして働かせてもらい、教育や地域支援に関わることもできました。また現在は、在日クルド人の若者を対象とした個別相談事業にも取り組んでいます。進学や就職、夢の実現に向けた支援を行っており、これまで外国ルーツの若者を支援してきた団体とも連携していきたいと思います。進学説明会や大学のオリエンテーションに同行するほか、例えばサッカー選手になりたい人やそのモデルをやりたいっていう人にとって、たくさんの情報を収集して、色々な団体と連携しながら、若者の夢や目標を支援、サポートする実践的なサポートを行っていきたいと思います。仮放免状態の若者には私自身の裁判経験も生かして、学校や制度との交渉も行います。夢を諦めなくてもいい、希望を持てるという、そう思ってもらえる環境を作るためには行動し続けたいと思います。そして今年度も渡邉利三国際奨学金の支援を継続していただけることになりました。これにより研究と支援活動の両方にしっかりと向き合うことができ、本当に感謝しています。この支えが私の挑戦を支えてくれています。これからも自分自身の経験と学びを活かして、社会に貢献できるよう努力していきたいと思います。本日はありがとうございました。


カイン ミミ トゥッさん(ミャンマー出身、看護学部)

自分または家族がどのような経緯で日本に来ることになったか、あるいは帰国が困難になった理
私の母は2001年に留学生として日本に来日し、その後、父は母国ミャンマーの政治的混乱から身の危険を感じ、韓国を経由して日本に逃れました。両親は日本で結婚し、私は2006年に生まれました。2007年のミャンマーにおける反政府デモをきっかけに、家族3人で難民申請を行い、帰国が困難であると判断され、在留特別許可を受けました。現在は定住者として日本に暮らしていますが、今もなお母国に戻ることは安全ではありません。

大学で何を学ぶ予定か
大学では、基礎的な看護技術だけでなく、多様な文化背景をもつ患者さんへの対応や、国際的な視点を持った医療についても学びたいと考えています。将来は地域医療に貢献するとともに、ミャンマーをはじめとする医療資源が乏しい国々でも看護の力を届けたいと思っています。

将来のキャリア目標について
私の夢は、心と体の両面から支えられる看護師になることです。そして、国籍や言語の壁を越えて誰もが安心して医療を受けられる社会づくりに貢献することです。その第一歩として、学業に専念できる環境を整えるために、奨学金を有効活用していきたいです。


ヤダナさん(ミャンマー出身、日本語・日本文化)

はじめまして。ミャンマー出身で、来日したのは昨年の10月です。私が日本に来ることになったきっかけは、2021年にミャンマーで起きたクーデターです。それ以降、国の状況は不安定なままで、私はその1年前に高校を卒業しましたが、コロナとクーデターの影響で大学には進学しませんでした。毎日、安全を感じられず、多くの若者たちが夢ややりたいことをあきらめざるを得ない中で、私自身も何度も「絶望」を感じたことがあります。それでも、自分の教育をしっかり受け直したい、安心できる環境で大学生活を送りたいという思いから、日本への進学を決意しました。今、海外で暮らしているミャンマー人の若者たちが、家族や周りの人からよく言われる言葉があります。それは「どんなことがあっても、ミャンマーには戻らないで」という言葉です。それが、私たちの現実です。

私は今、大学で日本語・日本文化を専攻し、日本語教師養成コースに所属しています。中学・高校での教育にも関心があり、将来は教育に関わる仕事を通して、ミャンマーの教育改革に貢献できる人材になりたいと考えています。

どうぞよろしくお願いいたします。


ゲラさん(ウクライナ出身、異文化コミュニケーション)

「渡邉利三国際奨学金」授与式 ウクライナ学生のスピーチ

みなさん、こんにちは。こんな素敵な機会にお招きくださり、本当にありがとうございます。とても嬉しく思っております。僕はとてもカジュアルな格好で着てしまったのですが 、皆様がスーツなど着られていて本当に素敵だなと思います。

私はウクライナ出身で、ウクライナ育ちで、ずっと戦争が始まるまで、ウクライナにいました。ウクライナでは、ずっと日本のことが気になったり、日本で学びたい、日本で住みたいと思ったのです。 ウクライナにいた時からずっと目標でした。

戦争が始まってから自分の夢であったり、自分の目標であったりなどは全部崩壊してしまって、日本に来ることもできないし、何も、人生はどう送ればいいか、全部が疑問に思って、これからどうしたらいいか、という考えもいっぱいありました。

高校1年生から日本に来て、日本の高校で学んで、そして大学に入るという時期になった時は、お金のことなどどうしようか、お金もないし、親もここに誰もいないし、自分は単身来日しましたので、誰もいない状況で、助けることも誰もできないです。そういう状況の中で、自分は勉学に励んでいて、すごく高等教育など大学で学びたい、と思ってたのですが、それでも自分の夢は諦めたくないという気持ちがあったので、勉強を続けていて、なんとか大学に入学することができました。大学に入った時なのですが、奨学金も何もない、 お金もないので、どう払えばいいか、色々な所からお金を集めて借金までして、まだ高校を卒業してないのに本当に高いお金を払い、その後、色々な奨学金を探しましたが、こんな素敵なパスウェイズ・ジャパン、渡邉利三様の奨学金を見つけて、本当にすごく嬉しいと思って、絶対受かりたいという気持ちになりました。合格通知が来た時にはすごく心から喜んでいて、親にも全員電話して、「受かったよ」「 受かったよ」と電話して、すごくみんな喜んでいました。

これからも私は勉強を続けることで、勉強で何をしたいかと言うと、私は多文化共生社会というテーマがずっと気になっていて、私たちみたいに外国人であったり、避難民であったり、 難民であったり、移民であったりする人たちが、日本社会であったり、他の国だったりもするかもしれませんが、特に日本社会ではどう生きるかというテーマが気になっていて、研究したいと思っています。もちろん、状況も改善したいですし、これから日本にも僕みたいに難民や移民が増加するという見込みがあるので、その人たちに対しては日本社会でもっと快適に暮らせるような環境を作りたいと思っていて、そういうことを私は勉強したいと思いました。

もう一つのテーマは、複雑なテーマになるかも知れませんが、平和構築というテーマです。ウクライナなど色々な国では戦争が起こっているではないですか。そういう戦争が止まってほしいですし、平和になってほしいですし、でもそのためにはなってほしいという気持ちが足りないですから、どうしたらいいかというと平和構築が大事で、コミュニケーションが大事で、国際関係が大事だと思いますので、そういうことを私は勉強したいと思います。今後ともよろしくお願いします 。


モー テッシンさん(ミャンマー出身、工学部(機械・電気工学))

みなさん、こんにちは。
このたびは、このような素晴らしい奨学金に選んでいただき、本当にありがとうございます。

私はミャンマー出身で、現在、大学で電気機械工学を学んでいます。母国では2021年の軍事クーデターが起き、私は民主主義を守るために CDM(市民不服従運動)に参加しました。その結果、私は帰国することができなくなり、日本で学び続ける道を選びました。

日本での生活は決して簡単ではありませんが、家族や支援してくださる皆さまのおかげで、夢に向かって努力を続けています。

私の将来の目標は、医療ロボットを開発することです。
都市と地方の医療格差をなくし、どこに住んでいる人でも同じように質の高い医療を受けられる社会をつくりたいと考えています。

将来は、日本で学んだ技術と経験を活かして、ミャンマーや世界の人々の暮らしをより良くするエンジニアになりたいです。
この奨学金を通じて、夢に一歩近づくことができました。

本日は、このような機会をいただき、本当にありがとうございました。


ネーさん(ミャンマー出身、工学部(機械・電気システム工学))

皆さん、こんにちは。私はミャンマー出身で、インド国境近くのサガイン地域にあるタムという小さな町の出身です。

新型コロナウイルスの流行後、私の国では軍事クーデターが発生し、政治状況はさらに悪化しました。私の故郷もその影響を受けました。そのため、私はインターネットが安定して使える近くのカレーという都市に移り、大学出願の準備を進めることにしました。

当時、タムから他の都市への主要道路は封鎖されており、私はバイクの輸送サービスを利用し、あまり使われていない道を通って危険な地域を避け、インド国境を越えて移動しなければなりませんでした。現在でも、私の故郷の人々は同じように不安定で危険なルートを使って移動しています。これは、私たちが今も直面している厳しい状況を常に思い起こさせるものです。

さらに、コロナ後の経済危機と続く政治問題により、家族の営んでいたビジネスは停止せざるを得ませんでした。一時は、学業を中断して働き、学費を貯めようと考えたほどです。だからこそ、渡邉利三様のように、発展途上国から来た、経済的に困難な状況にある学生たちを支援してくださる方には、心から感謝しています。

現在私は、大学にて、渡邉利三国際奨学金の支援を受けながら、機械電気システム工学を学んでいます。機械工作、ロボティクス、プログラミング言語、電子工学などについて学び、さまざまなプロジェクトに取り組んでいます。

将来は大学の教授になり、日本で学んだ知識と個人的な経験の両方を、母国や他の国々に還元できるような存在になりたいと考えています。

ありがとうございました。


ハージャさん(アフガニスタン出身、英語英文学科)

日本に来た経緯・帰国が困難な理由
私は家族と共に、父の仕事と家族の安全のために母国を離れ、日本に来てから7年になります。最初は「いつか母国に帰るだろう」と思っていましたが、2021年にタリバンが政権を取ってから、帰国が非常に難しい状況になりました。

大学での学び
現在は英語コミュニケーション学科で、日本語と英語の力を伸ばすことに力を入れています。この奨学金のおかげで、学びを続けることができ、無事に2年生になることができました。

将来のキャリア目標
将来は、英語、日本語、そして母国語のダリー語を活かして翻訳の仕事をし、言葉の壁に困っている人々を助けたいと考えています。

今後もこの支援を無駄にせず、目標に向かって努力を続けていきます。


エンジェルさん(カメルーン出身、人文学部)

母は日本に学生として来日してきました。最初は日本語学校に通い、学士号を獲得し卒業しました。そして大学に入り修士号を取得し卒業しました。卒業後、1年間働いていましたが、ビザの更新の際に受理されずビザを失効した状態になってしまいました。その時国に帰れなかったのはカメルーン内でノーゾー (not West and South west)という紛争が始まってしまって危なかったのとその時に私が生まれていて帰るのが良い判断ではないとなりました。その時、入国管理局からは国に帰るのに2ヶ月の猶予しか与えてこなかった状況で母は病気でした。そして病気の影響で飛行機に乗るのが難しいとのドクターストップで現在日本に在日しています。

私の将来の夢は言語通訳士です。そのため大学では言語の授業を基本的にとっています。

自分の英語力を試し、向上させるため今年はTOEICで自分の英語力を試し、来年はTOEFLにも挑戦しようと試みています。

3年生からは言語通訳士に必要な資格を取りながら3年生からは就職活動と学業に勤しんで。行くつもりです。

ご清聴ありがとうございます。


ウィンさん(ミャンマー出身、看護学部)

皆さん、こんにちは、

私はミャンマーから参りました。

まずはじめに、この奨学金を授与してくださったパスウェイズ・ジャパン奨学金委員会の皆様に心より感謝申し上げます。この奨学金は、私の教育と将来にとって本当に貴重な機会です。

ご存知の方も多いと思いますが、ミャンマーは政治危機に直面しており、私を含め多くの若者が教育を受けるのに苦労しています。

軍事クーデターが起こったとき、私は大学を去らなければなりませんでした。そのとき、どうやって勉強を続けられるのかわかりませんでした。中所得の家庭に生まれた私にとって、海外留学は不可能に思えました。自分の将来がどうなるのか、人生の中でとても難しい時期でした。

しかし、多くの困難に立ち向かった末に、私は大学に合格することができました。これもひとえに、私を信じて支えてくださった方々のおかげです。

今、私は大学で医療を学び、災害で被災された方々や医療現場で支援を必要としている方々の力になりたいという夢を持っています。卒業後は修士課程に進み、ゆくゆくは地方の人々を支援する団体に就職することを目指します。私の目標は、医療の面から社会に貢献することです。

それが私の夢であり、進みたい道です。そして、ここにいるみんなが自分の夢を実現し、社会に何か意味のある恩返しができる道を見つけられることを願っています。

ありがとうございました。


シャフィさん(アフガニスタン出身、大学院博士課程(グローバルスタディズ))

私の名前はシャフィと申します。アフガニスタン出身です。私はアフガニスタン政府において、さまざまな職務に6年以上従事し、公共サービスやガバナンスの向上に貢献してまいりました。3年前、日本のJICAプログラムを通じて来日し、さらなる教育を受ける機会を得ました。大学のグローバル・スタディーズ研究科で修士課程を修了し、ガバナンス、腐敗、国際協力に関する課題に焦点を当てて研究してまいりました。

しかしながら、アフガニスタンの政変と政治的情勢により、卒業後に帰国することが困難となりました。この困難を制約として捉えるのではなく、私は新たな挑戦と機会として受け止め、博士課程への進学を決意いたしました。同じ大学の博士課程に出願し、現在は博士課程の第1セメスターに在籍しています。

私の博士研究のテーマは、「国際社会における脱民主化への新たなアプローチ:日本の役割と国際協力への貢献」です。本研究を通じて、世界的に進行する民主主義の後退傾向を分析し、日本がいかにして脆弱国・紛争影響国への国際的支援により効果的に貢献できるかを研究しています。

博士課程修了後は、日本において学術の分野で引き続き活動し、ガバナンスと民主主義を専門とする研究者として、学術界および国際社会に貢献していきたいと考えています。紛争下の国から来た者として、私は平和、民主的価値、制度の強靭性を提唱する学者となり、日本の学術コミュニティと国際的な平和構築に寄与したいと願っています。

このたびは、紛争の影響を受けた国の学生に対しても機会を与えてくださる渡邉利三国際奨学金に、心より感謝申し上げます。この奨学金は、経済的支援にとどまらず、未来を切り拓こうとする学生たちに希望と励ましを与えてくださるものです。皆さまの寛大なご支援は、人々の人生に持続的な影響を与え、平和と発展への道筋を拓く力となっています。

どうぞよろしくお願いいたします。