シリア、アフガニスタン、ウクライナから26名の学生が来日— 困難を越え、日本で未来への一歩を踏み出しました

パスウェイズ・ジャパンでは、紛争や人権侵害により将来の選択肢を奪われた若者が、日本で未来への道を拓けるよう、日本語学校への受け入れを行う「日本語学校パスウェイズ」プログラムを実施しています。2026年3月から5月にかけて、シリア、アフガニスタン、ウクライナから計26名の学生が来日しました。今年は、母国の厳しい状況に加え、2月下旬からの中東・南アジア各地の情勢悪化により、半数以上の学生が渡航延期を余儀なくされるという事態に直面しました。それでも学生たちは、日本で学ぶという希望を手放すことなく、渡航の機会を待ち続けました。その思いに応えるため、関係機関や教育機関、来日サポートボランティアの方々と連携し、一人ひとりの状況に応じた調整を重ねた結果、学生たちは日本にたどり着き、新たな一歩を踏み出すことができました。

2026年度のプログラムには、シリア、アフガニスタン、ウクライナから2,056名の応募がありました。世界的に難民・避難民の受け入れが縮小する中でも、教育を通じて未来を切り拓こうとする若者が、これほど多く存在しています。選考では、日本社会への適応力や日本語学習への意欲、将来のビジョンなどをもとに審査を行い、32名を採用しました。その後家族の事情や健康状態などによる辞退を経て、最終的に26名が来日を果たしました。この数字は、機会を必要としている若者の多さと同時に、その機会がいかに限られているかを示しています。
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本プログラムでは、学生たちは2年間、日本語学校で学びながらアルバイトで自活し、進学や就職を目指します。言語や文化の違いの中で生活を築くことは、決して容易ではありません。そのためパスウェイズ・ジャパンでは、来日前からオリエンテーションを実施し、来日後には4日間の集中オリエンテーション・プログラムを行っています。来日初日のオリエンテーションでは、先輩学生や卒業生が講師・ファシリテーターとして参加し、自身の経験をもとに具体的なアドバイスを伝えました。困難を乗り越えた先に広がる可能性を語るその姿は、新たに来日した学生にとって大きな励みとなり、「自分もここから歩んでいく」という決意を後押ししていました。

先輩によるオリエンテーション
先輩によるオリエンテーション

歓迎会兼卒業生祝賀会では、会場で参加した来日済みの学生達に加えて、当時まで来日できていなかった学生達もオンラインで参加し、それぞれが自己紹介やメッセージを発信しました。当時来日を待っていた学生達は、動画を通じて「学びを続けたい」「未来を切り拓きたい」という強い思いを語りました。来日していた学生の代表も、会場にて母国での困難と、日本で新たな道を築く決意を共有してくれました。また、卒業生達からは進路報告とともに、この2年間の成長と支えてくれた人々への感謝の言葉がありました。参加してくださった皆様には、支援が確かな変化を生んでいることを実感できる時間となったことと思います。

新入生のスピーチの様子
新入生のスピーチの様子
卒業生のスピーチの様子
卒業生のスピーチの様子

4月中旬以降、渡航が遅れていた学生達も、関係各機関のご協力により、ビザ申請、渡航準備を進めることができ、順次来日を果たしました。長期間不安定な状況に置かれていた学生たちは、日本に到着した際、疲れた様子でしたが、同時に安堵の表情を見せていました。合同オリエンテーションには参加できなかったものの、スタッフが個別にオリエンテーションを行い、日本での生活立ち上げを支援しました。また、受け入れ先の各日本語学校でも、来日の遅れを取り戻せるよう、様々な配慮をいただきました。

今年は来日時期が分散したことで、団体としての対応業務量も増えましたが、多くの学生・社会人ボランティアが「来日サポートボランティア」として参加し、空港送迎や住居移動、行政手続きなどサポートを担ってくれました。
こうした支えにより、学生たちは安心して日本での生活をスタートすることができました。また、スタッフ以外にも自分たちを支える人がいると知ることは、学生にとって大きな心の支えとなっています。

来日時のボランティア

今年度受け入れた学生たちは、宮城、千葉、東京、京都、兵庫、岡山、沖縄と、日本各地で新たな生活を始めています。それぞれの地域で、難民・避難民の若者と社会との新たなつながりが生まれています。パスウェイズ・ジャパンは、この春日本で新たな一歩を踏み出した若者たちが、未来を切り拓いていけるよう伴走を続けます。そして、同じように学びの機会を求める多くの若者に道をひらくために、教育機関、企業、行政、そして支援者の皆さまと連携しながら、取り組みを広げていきます。

難民・避難民の若者の日本への受け入れは、様々な個人・団体のご寄付によって実現しています。今年新たに来日した学生をこれから2年間支えるとともに、来年度より多くの若者に日本で学び未来を切り拓く機会を作るため、継続的にご支援をいただく「伴走サポーター」を募集しております。ぜひご寄付を通じて、私たちと共に、難民・避難民の若者の未来への歩みを支えてください。