【活動報告】第1陣10名来日、オリエンテーションを実施

ウクライナ避難者受け入れ事業の進捗を報告します。

先日、隣国ポーランドを経由してウクライナ避難者の留学生10名が、無事来日しました。来日した10名は、10代後半から20代の女性たちです。全員が、ウクライナの大学や日本語学校で、日本語を学んだ経験を持っています。

3日間のホテル隔離中から、オリエンテーションを開始しました。パスウェイズ・ジャパン(PJ)は、日本に希望や期待を抱いて来日する留学生に対して、日本社会で暮らすうえでの現実の厳しさや直面するだろう課題について、事前に伝えることが大切だと考えています。「期待値を調整」することで、新しい社会へのスムーズな移行ができると考え、来日後のオリエンテーションを行っています。

オリエンテーションでは、日本社会について(「世間」という考え方など)、災害への備え、メンタルヘルス、アルバイト探し、女性に対する被害の実態や緊急相談先など、5日間にわたり、実施しました。

特に、ウクライナからの避難の途中で、女性が人身売買の標的となり巻き込まれる事件が起きていることを受け、日本においても女性に対する差別や、悪質な犯罪などの実態があることを伝えました。女性であるがゆえに日常的に経験するかもしれないハラスメントや電車での痴漢については、被害にあった場合の対応方法についても詳しく話をしました。

また、在日ウクライナコミュニティ「KRAIANY」のメンバーには、日本社会で生きるうえでのノウハウや知っておくべきことなどを伝えてもらいました。

オリエン最終日に開催したレセプションでは、連携する大学や日本語学校、政府や企業、在日ウクライナコミュニティのメンバーなど、35名ほどが参加し、留学生を歓迎しました。

留学生からは、日本語で、今の気持ちを語ってもらいました。緊張しながらも、これまで学んできた日本語でしっかりと話してくれました。一部をご紹介します。

「2月24日の朝、すべてが変わりました。戦争のはじまりだとわかりました。大学生だった私は、もう勉強することができなくなりました。パスウェイズ・ジャパンのプログラムを知って、これは私のチャンスだと思いました。この機会を与えてくれた皆さんに心から感謝します」

「小学校で日本語、日本文化を学びはじめたその日から、日本に行き、生活し、大学で勉強することが、私の夢になりました。日本で学ぶことは、たくさんの選択肢を与えてくれます。戦争があったことで、日本に来ることが叶ったのですが、このチャンスを生かしていきたいです」

「戦争ですべてが大きく変わりました。地下鉄で友達と3日間過ごしたことは決して忘れません。将来は、大学で学び、専門性を身に着け、日本とウクライナの架け橋になれるよう頑張ります」

「皆さんのおかげで日本に来ることができました。戦争が起きたことで、私たちは本当に価値があるものはなにかを理解できたのではと思います。それは人との絆です。たくさんの日本の方々から多くの支援が送られていることに感謝しかありません」

オリエンテーション終了後は、それぞれが学ぶ予定の日本語学校・大学のある地域(東京・千葉・京都・沖縄)へ出発し、新たな生活の立ち上げを開始しています。

来週以降も随時留学生が来日する予定です。