就活への理解を深め目指すキャリアを考える「就活説明会」開催

パスウェイズ・ジャパンでは、シリア、アフガニスタン、ウクライナの学生が、日本語学校・大学のプログラムを終えた後、日本で自分が目指すキャリアを実現できるよう、就職活動に向けたサポートも拡充しています。日本での就活への理解を深め、それぞれの目指すキャリアを考えるための「就活説明会」を2024年6月に開催しました。当日は、17名の学生が参加したほか、現在は就職している卒業生5名が参加し、経験を共有しました。

まず、教育パスウェイズ・ネットワーク(JEPN)の事務局を務める創価大学キャリアセンター副課長の賀佐見様より、日本の就活のスケジュールや日本の企業が求めることなど、就活にあたり必要な情報を説明いただきました。「日本の企業はパーパスを持っており、自分のパーパスと重なる企業を見つけ、そのことをしっかり伝えることが大切」とお話しされ、学生たちも就活に向けた準備を具体的にイメージすることができました。

続いて、先輩学生が、どのように就活を進めたか、体験談を話しました。自身の視点から見た日本の就活の特徴や仕事探しの方法、選考に向けた対策などを具体的に話し、これから就活を目指す学生にアドバイスを送りました。

*この日体験談を話した卒業生のうち、シリア出身・タレクさん、ウクライナ出身・ヴィカさんの話を、「世界難民の日」に寄せた記事の中で紹介しています。こちらの記事をぜひご覧ください。

創価大学キャリアセンター賀佐見副課長の日本の就活についてのプレゼン
自らの就活体験を共有するシリア出身の卒業生

その後、参加者はグループに分かれ、ワークショップ形式で自分の経験を振り返り、自分史を作成し、そこから見える強みや目指すキャリアの方向性を考える作業を行いました。参加者はそれぞれ、母国での紛争などで描いていた未来を失う経験をし、日本に来てからも日本語の習得や学業とアルバイトの両立など、様々な困難に直面しながら乗り越えてきました。まず、各自で自分史とそこから得た気づきを記入し、その後グループ内で共有しました。各自の様々な経験から見出した強みや興味について話し合いました。各グループには先輩学生が加わり、自身の経験をもとに仕事探しや就職活動の準備についてアドバイスをしました。また、グループの他のメンバーからも「○○といった仕事が向いているのではないか」など様々な意見が出され、グループワークを通じて参加者の自己理解や今後のキャリアへの考えが深まりました。

グループワークの様子

学生からは、「元々勉強していた日本語や英語など語学力を活かしたい」「自身の持つITのスキルを活かしたい」「アルバイトを経験したホテルなどホスピタリティの分野で仕事につきたい」「ボランティアで興味を持った教育関係に携わりたい」など、様々な経験をもとに、十人十色の希望が話されました。今後、定期面談も行いながら、それぞれの目指すキャリアを具現化し、実現できるようサポートしていきます。

また、7月には難民・避難民の学生の採用に興味を持つ企業を広げるための「企業交流会」を実施しました。今後、秋には企業と学生が面会をする「就活セミナー」を開催し、企業と学生の接点を広げていきます。