パスウェイズ・ジャパンでは、日本語学校・大学で学ぶ難民の背景を持つ学生が、卒業後に進路を選択し、自立して生活を送れるよう、就職活動に向けた支援もしています。個別企業の社員との交流会、インターン採用や将来的な雇用に関心を持つ複数企業と学生が集っての交流会につづき、10月には、学生が就活に関するセミナーや日本語講座に参加し、企業とも面会をする「就活フェア」を開催しました。シリア・アフガニスタン・ウクライナの学生約50名が参加し、今後インターンや職員採用に関心を持つ企業・団体も10社が集まってくださいました。学生達は、日本での就職活動について理解を深め、就活に必要な日本語の実践的な授業を受けた後、興味がある企業と直接話すことで、具体的に就活に踏み出すための第一歩となったようです。また、企業の方々にも難民の背景を持つ学生のスキルや経験など人材としての可能性を知っていただく機会となりました。
イベントの前半では、日本の就職活動についてパスウェイズ・ジャパンのスタッフから説明するとともに、日本の企業に就職した2名の先輩学生が企業の探し方や面接の際のアピール方法を話しました。続いて、日本語の授業では、公益社団法人 国際日本語普及協会(AJALT)にご協力いただき、就職活動のための日本語講座として、ジョブフェア等で企業ブースを訪問する際の質疑応答の仕方や名刺交換の練習など、実践的な内容を学びました。
その後、実際に企業の方々と話す時間を設け、まず各企業から5分間の企業紹介のプレゼンテーションを頂いた後、参加した学生が興味をもった企業のブースを回りました。各ブースでは、求められる人財像や入社までの過程、入社後のキャリア形成など、各企業から様々な紹介がなされました。学生達は、大学在学中で今後新卒採用を目指す人、母国で社会人として働き日本語学校卒業後既卒の就職を目指す人等、いくつか異なる就活のサイクルにありますが、企業の方々も、学生の高い日本語力や専門分野、現在の生活、今後のキャリアビジョンなどを聞き、各国の学生達への理解を深めていました。日本で特に人材が不足しているIT分野を始めとして、参加企業の求める専門性を有している理系の学生もおり、一部の企業からは「今後応募をしてもらいたい人財に出会うことができた」とのコメントも聞かれました。
<参加企業>
Airbnb Japan株式会社
株式会社医学生物学研究所
株式会社システナ
株式会社資生堂
公益財団法人東京YMCA
株式会社 ファーストリテイリング
パーソルクロステクノロジー株式会社
モノグサ株式会社
ラッシュジャパン合同会社
*ほかに化学品メーカー1社
大学・日本語学校の卒業が半年後に近づいている学生や、今年大学院1年、学部3年で新卒の就活を始めている学生もおり、就活はこれから本格化していきます。
パスウェイズ・ジャパンでは、今後も、母国と日本で様々な経験を積んだ難民の背景を持つ学生が、高い日本語力とそれぞれの経験を生かしたキャリアパスを実現できるよう、支援していきます。