難民・避難民の若者と企業が出会う「就活セミナーと合同企業説明会」開催

パスウェイズ・ジャパンでは、シリア、アフガニスタン、ウクライナから難民・避難民の若者を日本に受け入れ、これまでに230名以上が日本で学ぶ機会を得ています。そのうち70名以上が、就職やフリーランスなどを通じて自立し、それぞれのキャリアを歩んでいます。また、「渡邉利三国際奨学金」を通じて日本の大学・大学院で学ぶ若者の高等教育を支援するほか、2021年以降アフガニスタンから退避してきた方々を対象とした日本語講座を実施するなど、日本に住む難民・避難民の若者が学び、将来のキャリアを築くための支援を行っています。

キャリア形成に向けては、年間を通じて、社会人のプロボノから1対1でアドバイスを受ける「就活メンターシップ」、就職活動に必要な日本語を学ぶ「就活日本語講座」、そして実際に企業と接点を持ち、学んだことを実践する「就活セミナーと合同企業説明会」を実施しています。

今回は、9月に開催した「就活セミナーと合同企業説明会」についてご紹介します。

合同企業説明会の様子

学んだことを実践し、企業との出会いにつなげる

難民・避難民の若者が日本で希望するキャリアを実現するためには、仕事に必要な専門性や日本語力だけでなく、日本の就職活動の進め方を知り、自分の経験や強みを企業に伝える力を身につけることも重要です。今年は、学んだことを自分で理解を深め、準備ができるよう、就活セミナーと合同企業説明会を別日に開催しました。まずセミナーで日本の就活のポイントや自己PRの方法を学び、その後、合同企業説明会で実際に企業の担当者と話すことで、学んだことを実践できる機会としました。就活セミナーには22名、合同企業説明会には19名が参加しました。

日本の就活で求められる「伝える力」を学ぶ「就活セミナー」

就活セミナーでは、合同企業説明会やその後の就職活動に向けて学ぶ機会として、一般社団法人 留学生支援ネットワークの久保田学氏にご講演いただきました。久保田氏には、留学生の就職に関するデータも紹介しながら、日本の就活で企業が重視するポイントや、就職活動に向けて準備しておくべきことについてお話しいただきました。

特に、合同企業説明会を見据えて、自分の経験や強みを相手に分かりやすく伝えるための自己PRについて、具体的に解説いただきました。参加者からは、就活における情報収集の方法やウェブテストへの対策、企業が留学生をどのように評価しているのかなど、さまざまな質問が寄せられました。日本の就活について知識を得るだけでなく、それぞれが実際に就職活動を進める中で感じている疑問や悩みを共有し、考える機会にもなりました。

就活セミナーの様子

企業との対話を通じて、自分のキャリアを考える「合同企業説明会」

合同企業説明会には、様々な業界から7社の企業・団体が参加しました。参加者は、自分の興味や関心に合うブースを訪問し、これまでの経験や仕事に興味を持った理由について伝えるとともに、仕事内容や入社後のキャリアパス、選考に向けた準備などについて質問しました。

参加者にとって、企業の担当者と直接話すことは、ウェブサイトや求人情報だけでは分からない仕事内容や職場の雰囲気、求められるスキルを知る機会となります。また、自分の経験や強みを実際に相手に伝え、その反応を受け取ることで、今後の就職活動に向けて自分自身の伝え方を見直す機会にもなりました。

今回参加した企業の中には、留学生の採用に積極的に取り組んでいる企業もあり、説明会をきっかけに実際の応募につながったケースもありました。また、難民・避難民の若者のキャリア支援を目的として社会貢献の観点から参加した企業からは、自社の採用情報にとどまらず、業界の動向や仕事の探し方など、参加者がキャリア形成を考える上で有益となるアドバイスをいただきました。

合同企業説明会の様子
合同企業説明会の様子

<今回参加いただいた企業・団体> 

  • SAPジャパン株式会社
  • 公益財団法人東京YMCA
  • パーソルクロステクノロジー株式会社
  • ピープルポート株式会社
  • 株式会社 ファーストリテイリング
  • Global Gateway Japan株式会社
  • NPO法人WELgee

参加者の声

就活セミナーや合同企業説明会を通じて、参加者からは、日本での就職活動の進め方や、自分の経験・強みを企業に伝える方法について学ぶことができたという声が寄せられました。 

<就活セミナーについて>
・セミナーでは、自己PR文の書き方について重要な情報が提供されました。留学生にとって、これは最も難しい課題の一つです。明確なガイドラインがなければ、どこから手をつければよいのか、どのように構成すればよいのかが分からないからです。
・日本での就職活動の手順や留学生に対する就職情報など色々学ぶことができました。

<合同企業説明会について>
・専門が違っていても興味ある分野に行けることと短所と長所について気づいた方がいいことについて学ぶことができました。
​・企業の担当者から直接お話を伺うことができ、実際の仕事内容や求められるスキルについて具体的にイメージできるようになりました。今後の就職活動を進める上で、大変参考になりました。
・様々な企業のブースを訪問し、それぞれの企業の事業内容や働き方について直接お話を聞くことができたことです。特に、外国人留学生に求められるスキルや、日本で働くために必要な準備について知ることができ、とても勉強になりました。
・最も学びになったのは、最初の自己紹介で良い第一印象を与えることの大切さです。技術力だけでなく、信頼関係を築く第一歩になると実感しました。

企業にとっても、新たな人材との出会いに

参加した企業・団体からも、参加者との交流を通じて、難民・避難民の若者の経験やキャリアへの考えを知ることができたという声が寄せられました。

・非常に学生さんが積極的に会社の話を来てくださったのと、インターンを探されている学生さんがいることを知れたため。専門性と日本語力の高さには非常に驚きました。
・多くの難民背景を持つ方々と直接お話をすることができ、それぞれの経験や今後のキャリアに対する考えなどを伺うことができました。

今回のイベント参加をきっかけに、今後の採用を検討したいという企業・団体もありました。

難民・避難民の若者にとって、日本での就職活動は、言語や文化の違いに加え、日本独自の就職活動の仕組みや、企業が求めることを理解し、自分の経験を伝えることなど、さまざまな壁があります。だからこそパスウェイズ・ジャパンでは、就活に必要な知識や日本語を学び、企業との直接の対話を通じて、一人ひとりが自分の力で就職活動を進められるよう支援しています。また、今後も企業・団体との連携を広げながら、難民・避難民の若者が日本で自身の目指すキャリアを見つけ、その実現に向けて歩んでいけるよう、継続的に伴走していきます。