難民の背景をもつ方々の高等教育への進学率は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の「教育報告書2025」でも9%と低く、UNHCRでも、2030年までに高等教育への進学率を15%に上げることを目標に掲げています。渡邉利三国際奨学金は、日本に住む難民の背景をもつ若者の高等教育進学を支援するために設立されました。これまで奨学金応募の機会が限られていた期間限定の在留資格の人々を対象にし、学費と生活費を支援する返済不要の奨学金です。難民の背景を持つ若者自身が様々な専門分野を選択し、短大から大学学部、大学院まで多様な教育機関への進学が可能となっています。
今年度は、2025年10月から2026年1月に募集し、昨年度61名を大きく上回る226名の応募がありました。特に今年は、ミャンマー出身の学生が増加しました。母国での政治的な混乱を背景に、多くの若者が日本語学校や大学に留学生として来日し、母国に帰れない状況から、進学し、日本で新たなキャリアを築こうとしていることが伺えました。
2026年1月から2月にかけて、書類審査と面接審査を行い、23名と過去最多の学生が採用内定となりました。一部の学生は大学受験をしている最中となり、進学先の確定をもって、奨学生が最終確定します。
学生たちの背景は、難民の背景を持つ親をもち日本で生まれた方、母国で大学に進学しながら近年の政変により母国を離れた方など様々です。また、アフガニスタン、ウクライナなどの国々で難民・避難民が生まれる状況が続く中、高校生の時に親と共に日本に逃れ、日本の高校を卒業して、大学進学を目指す方も出てきています。
進学先は主に学部課程ですが、博士課程の学生も在籍しており、専攻分野は、国際関係、観光、農業、医療等、多種多様です。奨学生は、それぞれの専門分野での学びを深め、日本や母国に貢献したいという強い意欲と計画性を持っています。
私たちは、奨学金の提供を通じて経済的な支援を行うだけでなく、学生同士の交流を促進し、当財団が連携しているさまざまな組織とも繋がる機会を提供していき、奨学生が自らの夢を実現し、社会に貢献できるよう支援していきます。
