シリア出身
2013年にトルコに行き、10年生活。
2023年10月に来日し、現在は千葉県にある日本語学校で学んでいます。
インタビューは来日前と来日後の2回行われました。
<来日前>
Q 日本に来る前の生活を教えてください。
2013年からトルコに住んでいます。10年ほどになります。当初、私は手術が必要な家族の一人に付き添うため、短期間ここに来ました。しかし、シリアの状況を考慮し、母はトルコに残るという難しい決断をしました。新しい土地で自分たちだけになることは、非常に困難なことでしたが、母は私たちの教育のため、そして私たちがより良い生活を送れるように、このような犠牲を払ってくれたのです。
シリアで子ども時代を過ごした私は、戦争が勃発するまでは、親戚に囲まれて素朴で楽しい生活を享受していました。当初、私たちは「戦争」という言葉の意味を十分に理解していませんでしたが、家族の顔に恐怖が刻まれるのを目の当たりにするにつれ、私たち自身の不安も増していきました。非常に困難で危険な状況にもかかわらず、母は辛抱強く私たちを学校に通わせてくれました。
自分の過去を振り返り、自分自身が成熟し、母の立場に立てるようになってみると、危険の中で希望を選んだ母の驚くべき勇気がわかってきます。この貴重な人生の教訓は、私に深い影響を与えました。その結果、人生で困難に直面するたびに、母が私たちのために払った多大な犠牲を思い出します。この視点が私の決意を固め、人生にどんな困難が訪れようとも、簡単にあきらめられなくなりました。私は前進し続けることを決意しています。
違う国にいることは簡単なことではありません。 私はポジティブな経験からもネガティブな経験からも多くのことを学んできました。差別を含む数々の困難に直面した後、私は自分がシリア人であることが何か間違っているのではないかと疑問に思うようになりました。当初は、この考えを単に無視すれば、すべての問題が解決すると思っていました。しかしすぐに、この考え方は非現実的であり、このように感じるようになったのは他人の影響だと気づきました。その後、私は自分の歴史、文化、そして人間の本質を深く掘り下げる決心をしました。これが私を探求の旅へと導き、最終的に日本行きを選択するきっかけとなりました。
うまくいけば、今月末には日本に行きます。緊張していますが、とても楽しみです。私にとって新しい旅であり、人生の新しい章になります。
Q パスウェイズ・ジャパンと来日に向け、どのような準備をしてきましたか?
パスウェイズ・ジャパンは、オンラインで基本的な日本に関しての教育を提供してくれます。基礎知識だけでなく日本で遭遇するであろう困難についても必要なことを教えてくれます。
オリエンテーション・セッションは、私の人生において非常に貴重なものであることが示されており、私はいつもこのようなガイダンスを受けることを切望していました。オリエンテーションで示される明確な指示は、将来のために必要なステップを概説してくれるので、私の中に安心感を与えてくれました。サポートと支援に心から感謝しています。特に、私のようなシリア人学生にとって、書類作成のプロセスは特に難しいものです。しかし、この道のりを通して受けたサポートは、私の不安を和らげ、よりスムーズな移行を保証するのに役立ちました。
パスウェイズ・ジャパンは、私にとってまるで家族のような存在です。自由に意見を言うことができるんです。私の信仰のために、できることやできないことがあるのですが、いつも尊重してもらっています。何かできないことがある時にはいつでも他の方法を提案してもらえます。
<来日後>
Q 来日した感想と今後のプランを教えてください。
私の母は、知識の重要性とそれがもたらすチャンスを常に強調しており、私が日本にくるきっかけとなりました。この国には素晴らしい文化遺産があり、豊かな将来の可能性を提供してくれます。慣れ親しんだ生活を離れても、このチャンスの全ては価値のあるものだと確信しています。まるで絵に描いたような夢の中で生きているような気分です。これからの日々に心からワクワクしています。
どんな経験も私たちに何かを教えてくれることを、人生は教えてくれました。日本での時間は、多くの貴重な経験で満たされると確信しています。この旅が幸せと鮮やかな色彩だけで特徴づけられるとは限らず、難しい局面が起こるであろうことも理解しています。それでも私は、自分の道を自分で切り開き、自分の方向性を選択する力があると固く信じています。過去の経験から学んだ教訓を生かし、人生をより良いものにし、より明るい未来に向けて努力したいと思います。
今の自分を超えて、もっといい自分になりたいという純粋な思いがあります。私の最終的な目標は、母をはじめ、これまで私を支えてくれた人たちが心から誇れる人間になることです。彼らが揺るぎなく私を信じてくれていることは、常に私のモチベーションの源となっています。どのような道を選ぼうとも、私は彼らに誇りに思ってもらいたいと願っています。