学生同士がつながり将来を考える「日本語学校パスウェイズ 学生リユニオン・デイ」開催

パスウェイズ・ジャパン(PJ)では、日本学校パスウェイズを通じて受け入れた学生たちが集まり、1年を振り返り、他の学生や社会の様々な人々とのネットワーキングを行い、さらにキャリアについて考えるために、毎年3月に「学生リユニオン・デイ」を開催しています。本レポートでは、2024年度の「学生リユニオン・デイ」の模様を紹介します。
*日本教育パスウェイズ・ネットワーク(JEPN)の主催で大学に通う学生が集まる「JEPN学生リユニオン・デイ」についてはこちらをご覧ください。

パスウェイズ・ジャパンでは、シリア、アフガニスタン、ウクライナから毎年約20名の学生を日本語学校に受け入れており、卒業生を含めたコミュニティは毎年拡大しています。今回の学生リユニオン・デイには、シリア・アフガニスタン・ウクライナの学生20名が集まりました。学生達は、各自の希望の進路にあわせてグループに別れ、出身国を超えて先輩から後輩に経験を共有すると共に、時には同じ出身国の学生同士で母語で疑問や悩みを共有する等して、相互に学びと情報交換の時を持ちました。

卒業後の進路に向けて先輩学生の経験から学ぶ

前半のセッションでは、進学をテーマに行い、日本での大学・専門学校進学の仕組みや必要な試験などについて説明した後に、グループに別れ、先輩学生がこれから進学準備を進める後輩学生に体験談を共有しました。グループワークでは、後輩学生から、どのように大学を探したか、日本留学試験(EJU)などについてどう準備したか、奨学金を得るためには何が求められるか、などこれから準備するために必要な情報に関して多くの質問が上がりました。先輩からは、スケジュールの工夫や活用した教材、勉強方法など実用的な情報が多く共有され、後輩学生も今後の進学準備に関して具体的なイメージを持つことができました。

自己分析と先輩の経験を通じて将来のキャリアを考える

後半のセッションでは、就職をテーマに、NPO法人Welgeeのスタッフをスピーカーにお招きしました。日本の企業が求める人材像や就活に向けて必要な準備についてお話しいただいた後、就活の準備の最初となる「自己分析」のワークを各自で行いました。それぞれの学生が、紛争や政治的抑圧など様々な経験を乗り越えながら、日本で学ぶ機会を得て、来日後も日本語の習得やアルバイトと学業の両立など多くの挑戦をしてきています。「自己分析」を通じて、各自の経験を振り返り、将来の進路を考える機会となりました。

就活に関するセッションの最後には、今年3月に卒業し就職する先輩と現在就活をしながら日本の企業でインターンシップをしている先輩の2名がスピーカーとなり体験談を共有しました。自分の興味にあった会社をどのように探したか、複数の会社の選考が並行する際にどう管理したか、など具体的な工夫が様々共有されました。「不採用になっても自分に合わなかったと思い次の機会に挑戦した方がいい」といったアドバイスもあり、これから就活に取り組む学生にとって大きな励ましとなりました。

パスウェイズ・ジャパンのパートナーの日本語学校は全国各地に広がっており、学生たちは、普段は日本の各地でそれぞれ暮らし、学んでいますが、「学生リユニオン・デイ」で一同に会すことで、出身国や来日時期などの違いを越えて様々な出会いと繋がりが生まれました。この繋がりは、学生が今後、進学、就職と日本でのキャリアを進める上で、大きな支えとなることが期待されます。

パスウェイズ・ジャパンでは、受け入れた学生達が積み重ねてきたこのコミュニティの力を大切にして、難民・避難民の背景を持つ若者が日本で希望の進路を歩んでいくことができるよう、伴走していきます。