日本でのキャリアの実現に向けて先輩から後輩へアドバイスー就活説明会

パスウェイズ・ジャパンでは、日本に受け入れた難民・避難民の学生が、日本語学校・大学のプログラムを終えた後、日本で自身のキャリアを拓けるよう、就活に向けたサポートを拡充しています。その一環として、日本での就活への理解を深め、それぞれの目指すキャリアを考えるための「就活説明会」を2025年5月に開催しました。当日は、5名の学生と内定取得者・就職した先輩5名が参加し、経験を共有しました。

前半は、留学生支援ネットワーク (Bridge&Partner Japan) 國井久美子様を講師に迎え、自己分析や業界分析について、重要なポイントを説明いただき、その後、各自の進捗や悩みについてワークショップ形式で話していきました。

その後、就職したシリア出身のアブダッラさんとウクライナ出身のダリナさんが、それぞれの就活の経験を話し、後輩学生にアドバイスを送りました。

*就職した2名の話は「世界難民の日」キャンペーンの中で紹介しました。詳しくはこちらをご覧ください。

就活説明会の様子
就活説明会の様子

後半は、先輩と現役学生がペアとなって、自己分析シートや履歴書を元に、志望業界・企業の探し方、選考への準備など、就活に向けてより実践的なことを話していきました。学生たちは、これまで日本での生活を立ち上げ、学業やアルバイトを通じて経験を積んできましたが、日本特有の就職活動には戸惑いを感じていました。「どのように進めればいいのか」「自分のどんな強みをアピールすればいいのか」といった不安を多く抱えていました。今回のイベントでは、先輩たちのリアルな体験談を聞き、就活の進め方やポイントについて具体的なアドバイスを受けることで、自分の経験やスキルを改めて見つめ直すきっかけとなりました。

参加した学生からは以下のような感想が寄せられました。

・日本の就活は早期から始めなくてはいけないと聞いた時、ストレスを感じていましたが、今日のイベントを通じて、プレッシャーを感じず、自分らしく進めることができればいいと思うようになりました。(就活に関する情報の中で)特定の業界に絞るべき、と言われ戸惑っていましたが、先輩から様々な機会を探すこともいいという話を聞き、とても有益な機会となりました。

・これまであまり自己分析ができていませんでしたが、今回のイベントを通じて自己分析を深め、何であれ自分がやりたいことを目指すべきだと思うようになりました。先輩からは、おすすめの志望業界も教えてもらうこともできました。これから自分にあった企業を探すため企業へ応募を進めていきたいと思います。

・応募書類の準備や面接への臨み方など、実践的な内容を知ることができました。自分の経験やスキルをしっかりアピールし、自分に合う企業を探していきたいと思います。

・周りの学生が内定を獲得していることを聞き、とても心配していましたが、自分のペースで進めていけばいいと思うようになりました。自分の関心がある業界についても先輩から具体的に話を聞くことができました。

・日本の労働環境になじめるのか、就活でしっかり自分をアピールできるかなど不安が大きかったですが、先輩から実際の経験を聞き、とても参考になりました。日本語力も心配していましたが、これから向上していきたいと思います。

この後、参加者各自で就活を進め、さっそく内定を獲得した学生も出てきました。今後、パスウェイズ・ジャパンでは、企業の人事担当者等から直接アドバイスを受ける「就活メンターシップ・プログラム」や就活の面接等に備えた「日本語講座」、企業と面会する機会となる「就活セミナー」を開催し、難民・避難民の学生が日本で自身の目指すキャリアを切り拓いていけるようサポートしていきます。

*本説明会は日本財団の助成を受けて実施しました。