2025年度の渡邉利三国際奨学金の募集を、2024年10月28日(月)から2025年1月6日(月)まで行っています。この奨学金は、期間限定の在留資格で滞在する難民・避難民の若者達を主な対象に、大学・大学院進学のための奨学金(学費等と生活費補助)を提供する、日本では数少ないプログラムの一つです。シリア、ミャンマー、アフガニスタン、ウクライナ等、最近の紛争や政変、迫害で日本に逃れざるを得なかった、あるいは帰国が困難となった多くの若者達に、未来への道筋を提供します。
奨学金のオンライン説明会を開催します。応募を検討している方は、どうぞお気軽にご参加ください。11月29日の第2回説明会のお申し込みはこちらから。
第1回:2024年9月13日(金)18:00-19:30
第2回:2024年11月29日(金)19:00-20:30
奨学金設立に寄せた渡邉利三氏からのメッセージ
(この奨学金設立に際して、寄付者渡邉利三氏から寄せられた、難民の経験を経た若者達へのメッセージをお届けします。)
私は多くの難民を受け入れてきたアメリカで長い間仕事をしてきました。祖国を逃れ、難民としてアメリカで高等教育を受け、アメリカの社会に溶け込んで活躍してきた人たちを私はたくさん見てきました。アメリカはベトナムからの難民を多く受け入れ、彼らに高等教育の機会を与え、多くの難民たちがアメリカの社会で活躍しています。2022年3月に亡くなったアメリカ初の女性国務長官オルブライト女史は東欧からの難民でした。彼女は難民の子供としてアメリカで高等教育を受け、のちにクリントン政権で国連大使、そして、国務長官として活躍しました。
日本は長い間難民を受け入れない国でしたが、私は日本へ逃れてきた難民の人たちも、日本で高等教育を受ける機会を与えられることにより、日本社会でも活躍できることを皆さんに証明してもらいたいのです。私は日本が他の先進国並みに多様性を受け入れる国になることを願ってこの奨学基金を創設しました。皆さんは日本で高等教育を受けたのち日本社会で活躍するかもしれません。また、将来、祖国に帰って活躍するかもしれませんが、それはそれで結構です。しかし、いずれにせよ皆さんが日本と祖国の架け橋になることを私は望んでいます。
皆さんの夢が何であれ、自分自身のものにしてください。
渡邉利三
プログラムの概要
■奨学金給付内容
(1)学費等
年額170万円以内(左記上限内で、施設管理・維持費、実験実習費等その他教育機関が必要とする経費については、経済状況に応じて個別に支給を決定します。)
※応募時点の経済状況や他の奨学金等の受給状況を考慮の上、支給額を決定します。
(2)規定に基づく生活費補助
学部1-2年:月額最大7万円
学部3年:月額最大6万円
学部4年及び大学院:月額最大5万円
※応募時点の経済状況や他の奨学金等の受給状況を考慮の上、支給額を決定します。
※給付型奨学金のため返済は不要。
※他の奨学金との併用:併用可。また、他の奨学金等の獲得の努力を奨励、評価します。
応募資格
次の各項のすべてに該当する人。
- 難民の背景を持って、留学、特定活動、技術・人文知識・国際業務等の在留資格で日本に暮らしており、以下のいずれかに該当する人
*外国政府または日本国外の国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によって、難民として認定されるか、国際保護の対象となっていた人
*補完的道筋(Complementary Pathways)のプログラムを通じて日本に受け入れられた人
*紛争や政変等で祖国への帰国が困難となっている人
(詳細は、募集要項及び応募フォームにてご確認ください。) - 外国もしくは日本において学校教育における 12 年の課程を修了した人、または入学しようとする年の 3 月までに修了見込みの人、またはこれらと同等以上の資格があると奨学生選考委員会が認めた人
- 経済的な理由等によって日本で高等教育への修学が困難な人(注)
- 高等教育を受け、卒業後就職するのに必要な日本語とその他の語学力を持っており、その証明となる試験のスコアを提出可能な者
*日本語での学部受験:日本留学試験(EJU)または日本語能力検定試験(JLPT)の受験必要科目
*英語での学部受験:必要な英語力を証明する試験とJLPT N5-4程度以上、または同等の資格
*大学院受験:必要な英語力を証明する試験とJLPT N5-4程度以上、または同等の資格 - 本奨学金の奨学生採用の前後を問わず、日本の大学または大学院に合格した者
(注)高等教育の就学支援新制度等の対象となっている人は、本奨学金の対象とはなりません。
応募方法
① 応募資格を満たしていることを確認する。
② 応募フォームをダウンロードして記入する。
③ 卒業・成績証明、難民の背景を証明する書類、語学力証明書類、経済状況証明書類、推薦状等の必要書類を揃える。
④ 2024年10月28日(月)から2025年1月6日(月)の締め切りまでにオンライン応募フォームに以上の書類をアップロードして提出する。(締め切りは23時59分)
書類ダウンロード
応募フォームへ
お問い合わせ
ご質問のある方はこちらの問い合わせフォームよりご連絡ください。
よくある質問
応募について
Q.2024年に受験をし、2025度4月に大学(大学院)へ入学予定で、今は大学(院)生ではありません。 その場合、今年度の募集に応募することはできますか。
応募できます。2025年度に大学(院)に在籍している必要があります。 選考通過後に、応募用紙に記入した3大学(院)のうちいずれかに入学が確定すれば正式に採用となります。
Q.現在は日本の外に住んでいます。この奨学金に応募できますか。
残念ながら応募できません。こちらは既に日本在住の方向けの奨学金です。
Q. 現在、学部生(院生)です。すでに他の奨学金に申請をし、学費等の半分を援助してもらっています。残りの学費を補うために、応募することはできますか。
応募できます。
必要な金額分を願書にご記入ください。
Q.専門学校への進学を希望しています。
残念ながら、渡邉利三国際奨学金は大学留学のためのものです。専門学校への奨学金が必要な場合は、UNHCRとJELAによる難民職業教育プログラム(RVEP)への応募を検討してください。
Q.私は難民ではありませんが、祖国へ帰ることができない状況です。応募できますか。
難民の背景がある方として、応募できます。 帰国できない理由を説明する書類を提出してください。 NGOの発行する声明書、帰国が困難であることを説明する書類等を提出してください。 第3者による説明資料が無い場合は、ご自身で事情を説明する資料を作成し、提出をしてください。
書類について
Q.家計が困難な経済的状況であることを説明する書類は何を提出すればよいですか。
昨年、日本で働いていた人は、勤務先から所得控除(源泉徴収票)が発行されているはずなので、そのコピーを提出してください。お持ちでない場合は、給与振込明細書や銀行口座のコピーでも結構です。
日本国外にいる家族から仕送りをもらっている場合はそのことが分かる資料も提出してください。
Q.推薦状はどういった人物に書いてもらうのがいいでしょうか。
あなたのことをよく知る家族以外の第三者に依頼してください。あなたの人物像や学業とその後のキャリアプラン、今後どのようにどのように努力していくかなどやる気が伝わる内容のものが望ましいです。国外にいる方に書いてもらうことも可能ですが、言語は英語または日本語のみです。
Q.難民申請中でまだ在留資格がなく、外国政府・UNHCRから難民認定を受けていません。
難民申請中でも応募可能です。ただし、大学入学時に必要な在留資格を取得している必要があります。
Q.日本で生まれ育っているため、母国語は日本語です。そのため、日本語試験等は受験したことがありません。「日本語試験結果」の項目はどのようにすればよいでしょうか。
日本で高卒資格を取得している場合は、日本語試験結果は空欄で問題ありません。
Q.英語で入学、単位を取得できる大学受験を検討しています。それでもJLPTN4/5の資格が必要でしょうか。
JLPT5-4の資格自体はなくても応募可能ですが、同等の日本語力が必要です。(提出書類に関しては、日本語教育機関での学習証明、日本語教師による説明書類等で代用可能です。)
日本語がN4レベルにも達していない場合、仮に英語で学位を取得しても、日本で就職して生活を築く展望を描くことはできないため、奨学金を将来に活かしてもらうため、卒業後就職するのに必要な日本語は必須としています。N5/N4レベルに達していない方は、まず日本語の基礎力を身に着けたから、応募をご検討ください。
Q.これまで日本語を勉強してきましたが、日本語に関する資格を持っていません。どのような書類を提出すればよいですか。
JLPT、JPTなどの試験結果が無い場合は、日本語教育機関での学習証明、日本語教師による説明書類等で代用可能です。これまでどのくらいの期間、どの教材で学習してきたかなど分かるよう記載してください。
大学について
Q. 今年度受験し、来年度から大学に入学予定です。どの大学であれば、奨学金を受給できますか。この奨学金は大学と連携していますか。
渡邉利三国際奨学金は、特定の大学と連携した奨学金ではありません。日本国内の大学・大学院であれば、どの大学でも支援可能ですが、大学選び、出願、受験等は、ご自身で行っていただく必要があります。受験の詳細については志望大学のウェブサイト等で情報収集を行ってください。奨学生として採用されるためには、次年度に大学(院)に入学予定または在籍していることが条件になります。
Q.2025年度の入学金、学費の支払の締め切りが、2025年2月や3月です。支払いはいつから行われますか。
正式に奨学生として採用された後であれば、2024年度中であっても当団体が支払いを行います。採用が確定される前に振込が必要な場合は、ご自身で立て替えていただくことになります。
二次試験について
Q.面接試験は対面で行いますか。
都内の会場にて対面で実施予定です。
首都圏外にお住いの方の場合、交通費は弊団体が負担します。